FSC認証とは?

FSC認証とは、持続可能な森林活用・保全を目的として誕生した、「適切な森林管理」を認証する国際的な制度です。FSCの森林管理の審査基準である「10の原則と70の基準」は、「森を守ること」だけにとどまらず、労働者や先住民族の権利、地域社会との関係や文化など、広い視野に基づいて、森林の在り方を考えたものになっています。認証基準に基づいて審査を行うのは、FSCの組織ASI(Accreditation Services International)が認定した、第三者認証機関です。初回の基準審査だけでなく、毎年の年次監査や5年毎の更新審査も行います。
このように制度運営と基準づくりを担うFSCと、審査・監査を行う認証機関を分けていることから、公正で信頼性の高い制度として評価されています。認証を受けた森林からの生産品による製品にはFSCロゴマークがつけられます。

400年以上前から受け継がれてきた良材、南三陸杉。
南三陸杉のブランド化と適切な森林管理を目指すことにした南三陸町は
宮城県で初めてFSC認証を取得しました。

むかしむかし

南三陸杉の歴史

1604年に仙台藩祖:伊達政宗公が仙台城を築き広瀬川をはさむ城下町に大橋を架ける際に、南三陸に杉の大樹良材を求めたといわれます。それ以降、仙台藩の良質な杉の産地として、植林が奨励されてきました。水を好む杉にとって、年間降水量が少く、降雪もない南三陸町は過酷な環境です。しかし、そのような条件下でも、良材に育てる技術を確立し、次の世代へ受け継いできました。現在では、国有林・公有林・私有林を合わて、12,654ヘクタールの、杉を中心とする森林が存在しています。

南三陸町の森林

きっかけ

FSC認証取得を目指したきっかけ

東日本大震災の津波によって、南三陸町は多くの人と住まいと生業を失いました。山・里・川・海の自然豊かな環境にある南三陸町は、復興にあたり、自然を生かした町づくりによる再生を目指します。分水嶺で囲まれた南三陸町は、町内に降った雨は全て川をとおして志津川湾に注がれ、森林・田畑、町と海が相互に関係します。山側の責任として、持続可能で適切な森林管理が必要だと考えました。その第一歩として、FSC認証の取得を目指すことにしました。

南三陸町の空撮

みんなの力

FSC認証取得と南三陸杉ブランド化を目指す

震災前から、古より良材として受け継がれてきた南三陸杉をブランド化しようという動きが生まれていました。FSC認証取得とともに、南三陸杉のブランド化を掲げ、適切な森林管理をしつつ、地域林業の発展を目指したのです。町内の製材所では、CoC認証を取得し、FSC認証材を切り出すだけでなく、製品として消費者のもとへ届けることができる条件を整えました。そして、2015年に、厳密な審査をクリアし、FSC認証を取得したのです。

FSC認証取得の様子

こんなにすごい

南三陸杉の特徴

南三陸の杉の特徴として、山が岩盤質で栄養が少ない分、あまり太らず高く伸び、ゆっくり成長するために目が詰まり強度も高くなることが挙げられます。町の林業研究グループで行った検査では、全国平均を上回る強度を確認されました。さらに、薄いピンク色の赤身が特徴で、美しい色みと強さを兼ね備えていることから、「美人杉」と呼ばれています。こうした特徴を活かして、住宅の床・天井・柱などの建材のほか、家具やインテリアの素材として幅広い目的での活用が期待されます。

南三陸杉

使われている

町内でも活用されるFSC認証材

町のFSC認証材は、観光施設や宿泊施設など、町内のさまざまな施設で活用されています。なかでも、2017年に建てられた、南三陸町役場新庁舎および歌津総合支所は、屋根を支える構造材の梁、床や壁の下地材、天井等の仕上材や家具など南三陸杉をふんだんに使用。新庁舎で使用されている93%の材が認証を取得した南三陸杉で占められています。このことから、公共施設としては国内初となる「FSC®全体プロジェクト認証」を取得しました。

南三陸町役場 外観

みんなで頑張ろう

CoC認証との連携で活用の可能性を広げる

建材だけでなく、町のFSC認証材は、小物や什器等の商品化を行い、幅広く活用しています。教育旅行や体験学習で、南三陸町のFSC取得について学ばれる機会も増え、南三陸杉を使ったワークショップも人気です。CoC認証を取得した企業や団体が町内にあることが、南三陸杉の加工の可能性を広げ、ブランド化を後押ししています。

南三陸杉の木育ワークショップ